強烈な町です。
南方駅に阪急電車が滑り込んで行く時、すでに眼前に広がっているのはセクシー×××だとかナースがどうとか、アジアン風がなんだとかそんな看板。
いや、いいです。
逃げも隠れもせずそこにどかんと待ち構えているのが清々しい。
そして、電車で単行本を読んでいたスーツの人やギャハギャハお喋りしてた高校生なんかが駅から放出されて、何事もなくそれらの看板の前を通り過ぎていく姿がさらにしみじみします。
ぼくはこうゆう空気感の漂う町が大好物でありまして、ぼくが軟弱陸上部員だった中学生時分から内心おっかなびっくり澄まし顔で神戸のモトコーだとか港通りを歩くことを生き甲斐としておりました。
『私立探偵濱マイク』に憧れて初めて横浜の黄金町に行ったときなんて、周りのおじさんとは別の方向で鼻息をフンフン鳴らして大変でした。
黄金町においてはある意味ぼくの方が変質者です。
まあとにかく、そうゆう町に立ち並ぶ店はなぜだかぜんぶ常連さん専用に見えて、ただのうどん屋ですら「ちょっとやそっとじゃ入れない」オーラぷんぷんでこちらを威嚇してくる。
そこがまた好奇心を刺激して、もしもみんなの仲間に入れてもらえて「素うどんね、おばちゃん」なんて馴れ馴れしく言えたらちょっとオレってかっこいいんじゃね、みたいな変な妄想が膨らんできて、ああ時間にAMもPMもねえ、今すぐ行きてぇ!みたいな末期症状に陥るのです。
それでこれは、最初の常連さんの疑惑の視線を耐えたらあとは天国、というまさにローカル喫茶店の醍醐味と一致するわけです。
で、そうゆう町である?南方にも何かあるだろうと歩いていると、もちろんありました「喫茶・グリル 千松」。
看板が渋いです。
台形正立方体。
中に入るといい感じのマスターがいい感じに「なんにします?」って聞いてくれます。
カウンターには「うー」とか「はあ」とか言いながら定食を頬張る中年男性がひとり。
ぼくは「定食」と言って、あたりを見回す。
雑然としているような整然としているような不思議な空間。
漫画がたくさん。
カウンターの上に並んでいるのはビニールに大事そうに入っているので、「売りもんですか?」と聞くと、
「いいや、時々入れ替えるんです。」とのこと。
なんで、本棚に入れないんだろう。
謎は深まる。
ふと奥の席を見るとテーブルに将棋セット。
ああ、いい喫茶店だなぁとそれを見た瞬間、思う。
だって使い込まれてますもの。
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喫茶・グリル 千松
大阪市淀川区西中島1丁目14(地図)
阪急南方駅、地下鉄御堂筋線西中島南方徒歩3分
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こんばんは!
返信削除喫茶店になかなか行けないけれど、このブログがあるおかげで楽しませていただいております!
ほんまに切り取りが上手いなぁ。昭和の匂いがぷんぷんのいわたにさんのPhotoたち。
これからも撮り続けてくださいね。
大阪ローカル喫茶店案内(^^)/
kayoさんへ
返信削除こんばんは!ありがとうございます!
今、カメラが故障してしまったので、復活したらガンガン撮りますね。
「大阪ローカル喫茶店案内」笑 次なる目標です。