2008年12月10日水曜日
喫茶みやま [二条通り]
「よっこらしょ。」とカウンター席におじいさんが腰掛けるとすぐにホットコーヒーが出てくる。
「喫茶みやま」の風景。
丸っこいカップから立ちのぼる湯気を挟んでマスタァと老人が巷で話題の”裁判員制度”についてあれこれ。
音楽はアメリカのポップス。
壁には大きなメニューボード。
コーヒーからエビコロ弁当まで記載漏れなし。
本棚にはたくさんの漫画。
ゴルゴ13、美味しんぼ、はじめの一歩・・・。
うーん、喫茶店。
店の前の二条通りは忙しそうに厚着した人たちが通り過ぎていきます。
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喫茶みやま
京都市中京区東洞院二条西入る(地図)
地下鉄烏丸線烏丸御池駅、丸太町駅より徒歩5分
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京都ローカル喫茶店案内。人情深き京都の街角昭和レトロガイド。
2008年12月8日月曜日
喫茶 千松 [大阪/南方] そうゆう町のそんな喫茶店
南方駅に阪急電車が滑り込んで行く時、すでに眼前に広がっているのはセクシー×××だとかナースがどうとか、アジアン風がなんだとかそんな看板。
いや、いいです。
逃げも隠れもせずそこにどかんと待ち構えているのが清々しい。
そして、電車で単行本を読んでいたスーツの人やギャハギャハお喋りしてた高校生なんかが駅から放出されて、何事もなくそれらの看板の前を通り過ぎていく姿がさらにしみじみします。
ぼくはこうゆう空気感の漂う町が大好物でありまして、ぼくが軟弱陸上部員だった中学生時分から内心おっかなびっくり澄まし顔で神戸のモトコーだとか港通りを歩くことを生き甲斐としておりました。
『私立探偵濱マイク』に憧れて初めて横浜の黄金町に行ったときなんて、周りのおじさんとは別の方向で鼻息をフンフン鳴らして大変でした。
黄金町においてはある意味ぼくの方が変質者です。
まあとにかく、そうゆう町に立ち並ぶ店はなぜだかぜんぶ常連さん専用に見えて、ただのうどん屋ですら「ちょっとやそっとじゃ入れない」オーラぷんぷんでこちらを威嚇してくる。
そこがまた好奇心を刺激して、もしもみんなの仲間に入れてもらえて「素うどんね、おばちゃん」なんて馴れ馴れしく言えたらちょっとオレってかっこいいんじゃね、みたいな変な妄想が膨らんできて、ああ時間にAMもPMもねえ、今すぐ行きてぇ!みたいな末期症状に陥るのです。
それでこれは、最初の常連さんの疑惑の視線を耐えたらあとは天国、というまさにローカル喫茶店の醍醐味と一致するわけです。
で、そうゆう町である?南方にも何かあるだろうと歩いていると、もちろんありました「喫茶・グリル 千松」。
看板が渋いです。
台形正立方体。
中に入るといい感じのマスターがいい感じに「なんにします?」って聞いてくれます。
カウンターには「うー」とか「はあ」とか言いながら定食を頬張る中年男性がひとり。
ぼくは「定食」と言って、あたりを見回す。
雑然としているような整然としているような不思議な空間。
漫画がたくさん。
カウンターの上に並んでいるのはビニールに大事そうに入っているので、「売りもんですか?」と聞くと、
「いいや、時々入れ替えるんです。」とのこと。
なんで、本棚に入れないんだろう。
謎は深まる。
ふと奥の席を見るとテーブルに将棋セット。
ああ、いい喫茶店だなぁとそれを見た瞬間、思う。
だって使い込まれてますもの。
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喫茶・グリル 千松
大阪市淀川区西中島1丁目14(地図)
阪急南方駅、地下鉄御堂筋線西中島南方徒歩3分
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2008年12月5日金曜日
喫茶 花の木 [烏丸紫明] 高倉健が通った喫茶店
京都市上京区、北大路通りと鞍馬口通りの間を東西に極太に走るのが紫明通り。
北大路通りが華やかな体の表側だとすれば、鞍馬口通りは下町的な裏通り、そして紫明通りは曲がりくねっていながらしっかりとしている脊髄です。
地図で見れば、本当に脊髄のように見えるから面白いです。
その紫明通りは京都のローカル喫茶店分布図に置いてもまさに脊髄。
堀川通から賀茂川という比較的短い距離の中にローカル喫茶店が8軒。
しかも、どこもこしこも濃ゆいキャラ。
ぼくはここをローカル喫茶店の聖地と呼んでおります。
そしてそんな紫明通りの中でも中心的な喫茶店がこちら「喫茶 花の木」。
かつて高倉健が映画撮影の度に通ったという店内は薄暗く、飴色と琥珀色の落ち着いた空間。
まるでアンティークの宝箱に迷い込んだかのような、きらびやかでいて渋みのきいた輝きを放っています。
壁紙といい床の千鳥模様のタイルといい、黄金色のテーブルといい、何一つ調和を乱すものがありません。
コーヒーも軽食もしっかりと美味しい。
特にクロワッサンサンド。
金色のテーブルにコーヒーを置いてクロワッサンサンドを頬張れば、極楽浄土に南無阿弥陀仏。
かつて昼時になると花の木には行列ができたというのも頷けます。
カウンターの中のジャン・ギャバンのポスターは「この喫茶店に合うから」と高倉健さんから突然贈られたものだそうです。
彼は店が閉まる時間になってはスタッフ十数人引き連れてやってきて貸し切りにして夜な夜な宴会をしていたそうです。
一度、『黄色いハンカチ』の撮影の時、高倉健さんが吉永小百合さんが連れてやってきたときは圧巻だったそうな。
「で、その時、健さんが座ってた席が、いまお兄ちゃんが座っている席よ。」とママにいわれ、ぼくの尻は1cm浮きました。
花の木に立ちこめる独特の背筋が伸びる雰囲気は、そんな伝説が今も息づいているからでしょうか。
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喫茶 花の木
京都市北区烏丸紫明東入る北側(地図)
鞍馬口駅から徒歩5分、北大路駅から徒歩6分
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2008年11月27日木曜日
喫茶かど [同志社周辺/今出川]
「かど」ってのはなかなかロマンティックなものです。
異なる風景が交わり、異なる人が行き交う場所、それが町の「かど」だと思います。
そして街角には、ことごとくその町の顔があります。
ニューヨークのタイムズスクエアには巨大な液晶ビジョンがあり、渋谷のスクランブル交差点にはハチ公が座っております。
そして、京都の小川通りと上立売通りの角には、なんと「かど」があります。
自ら「かど」と名乗るからには、それはもう立派な「かど」に立っています。
喫茶かどは、同志社大学新町キャンパスを借景に背後の公園の樹木に包まれて、まるで町と森をつなぐ玄関口のようにひっそりと、しかし存在感を持ってそこに在ります。
疑いの余地なく、この町の風景を形作る顔です。
朝の喫茶かどに座っていれば、様々な人がこの喫茶店を行き交うのが分かります。
黒いスーツに、ニット帽のおじいさん、天気の話をする人。
そんな人びとをすべて受け入れるのはママの笑顔。
また、お店もちっちゃい。
ちっちゃいからちょっと立ち寄るには最適。
散歩の途中に、ああそこの角でコーヒーでも飲もう、なんて気軽さが起こる訳で。
何を隠そうそうやって立ち寄ったぼくを温かく迎えてくれたのが喫茶かどなのです。
小さなコーヒー屋で小さなモーニングをとり、新聞を流し読む、というだけの少しだけの時間ですがなぜかとても心が満たされる気がするのです。
それもこれも喫茶かどのおかあさんの底抜けの笑顔がすべての空気をやわらかくしているのでしょう。
笑う門には福来る、と言いますしね。
まあお”門”違いですが。
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喫茶かど
京都市上京区小川上立売(地図)
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2008年11月23日日曜日
喫茶トリフ [三条坂/蹴上]
最近、寒くなってきましたね。財布が。
気付けばぼくの財務状況は氷点下になりかけているではないですか。
ぼくの思考回路は、こうゆう状況にならないと「バイトしないと」という危機を感知できないような呆れるほど向こう見ずで、キャンピングカー的で、ジプシー気質に形成されているわけです。
ということで今日はアルバイトです。
しかし、これがまたすごいバイトでした。
何がすごいって、給料。
実働1時間半で1万4千円。つまり時給9333円。笑
こんなぼくもとんだ売れっ子ホストになったもんです。笑
仕事は駐車車両をカウントしていく調査なのですが、雇い主が調査地区の土地に明るくないようで、1人に割り当てられる調査範囲が非常に狭い上に、3時間毎に1度だけ各道路を調査すればいいという極楽さ。
そうしてあり余った時間でぼくは観光してみたり、ガラクタ市で買い物しして時間を潰してた訳ですが、もちろん喫茶店を開拓することも怠らなかったわけです。
そして出会った喫茶店がこちら。
「喫茶トリフ」
三条坂の途中に立つトリフ。
坂の上には南禅寺やら永観堂という立地で、この紅葉シーズン真っただ中なもんで、さぞかし混み合ってるだろうと思いながら扉を開けてみると、なんともゆっくりとした時間が流れていました。
広々とした店内。緑中心のソファやイス。渋みの出た重厚なカウンター。
そして、2人のママがキュート。ウェイトレス姿にドキッとします笑
まるで『魔女の宅急便』に出てくる”ニシンのパイ”のおばあさんの家にいるみたいです。
トリフのママの雰囲気がまたそのおばあさんにそっくりなのに加え、お年を召したウェイトレス姿が魔女の宅急便の家政婦のイメージとかぶるのです。
で、まず誰もがびびるのがマッサージチェア。
「マーッサージしながらコーヒー飲めるんですね。」と言うと、
「こぼれるけどね。」とママ。笑
そんなママの人柄に惹かれてか、常連さんが入れ代わり立ち代わりやってきます。
ほんとうに愛されているお店とは、何かのついでや通りがかりにちょっとだけでも顔を出してくれる人が多いお店なのです。
ぼくが写真を撮っている間、野菜を置いていったり、地域のかわら版を持ってきたり、コーヒーと煙草をしに数分立ち寄ったり。
まるで魔法にでもかかったように。
さて、みなさまも紅葉狩りで三条坂を登り疲れたら”魔女の家”で一服してはいかがでしょうか?(ちょっと強引か笑)
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喫茶トリフ
京都市東山区神宮道三条東入る南側(岡崎三条角)(地図)
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2008年11月20日木曜日
喫茶アサ [洛北高校前]
初っ端からしょうもないこと言って申し訳ないのですが、ぼくの朝はアサから始まります。いや、ほんとに。
なぜならぼくは今、下鴨に住んでいるからです。
下鴨といえば、言わずと知れた高級住宅街ですが、ぼくの部屋は奇跡の家賃1万円。
そうして家賃で節約したお金を持って、ぼくは起き抜けに「喫茶アサ」へといそいそ通っているです。
店先に植えてある花々に鼻を楽しませながら扉を開けると、なんともゆるやかな世界。
グリーンの絨毯の上に並ぶ真っ白なイスとテーブル。
オレンジの壁紙もポップ。
まるでおままごとのような空間。
さらに、アサの最終兵器が「中庭」!
店の両サイドに窓があるってのは開放感があっていいです。
でもママは「そこは物置よ」といたって謙虚。笑
そんな快適な空間とママのやさいい雰囲気の仕業で、朝のおじさんたちは新聞を広げ、時間を忘れたかのように長居してしまうのです。
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喫茶アサ
京都市左京区下鴨本通北大路上る(地図)
珈琲館パル [荒神口]
この珈琲を飲んだとき、ぼくはほんとに仰天しました。
濃い!!
いや、ちゃんとメニューに「濃厚(イタリアンタイプ)」など懇切丁寧にご指摘頂いているのですが、それにしても濃い!
基本的にいつもはブラックで頂戴しているのですが今回だけは堪らずミルクを投入してしまいました。
しかしながら、ぼくが頼んだのは「濃い目のコーヒー」。(このネーミングがチャーミング笑)
これが「濃厚(イタリアンタイプ)」になれば一体どうなるのでしょうか。
エスプレッソがなみなみと注がれるのでしょうが、おそろしくて注文できません。
でも、韓国料理と一緒で、濃いけどうまいんですね、これが。
朝から晩までおじさんたちがたむろしているのには頷けます。
これを飲んで御所を散歩すれば、完璧です。
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珈琲館パル
京都市上京区河原町荒神口通り東入る(地図)
ザ・オカモト [京大周辺]
斜め45度の看板が印象的な喫茶「ザ・オカモト」。
なんでしょう、なんだか琴線に触れる店構えです。
金曜日の妻たちがお茶していそうな優雅さ。
ドングリが転がってきそうなメルヘンさ。
いやいや、喫茶オカモトに限らず喫茶店の秀逸なアウテリアはいったい誰がデザインしたんでしょうか。
こうゆう小さな店こそがその街に匂いを与え、風景をつくり出しているんでしょう。
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喫茶ザ・オカモト
京都市左京区吉田下阿達町(地図)
ダイヤモンド [岡崎]
ある夏の暑い日。
ぼくは、あわただしくペダルをこいでおりました。
世間は祇園祭に浮き足立っていました。
そして、ぼくも同じく祇園祭に浮き足立っていました。
何を隠そうぼくは祇園祭でバイトしてるのです。
提灯行列の提灯を持たなければなりません。
今日の夕飯代を稼がねばなりません。
というわけで、八坂神社目指して東大路をえっさほっさ下っていたのです。
その時、目の前に現れたのが「ダイヤモンド」。
ダイヤモンドは永遠の輝き、とは言いますが、なるほど、喫茶ダイヤモンドも、悠久の時を越えてもなお輝くような素通りできぬ異彩を放っています。
黒砂糖のようなこげ茶の外観と巨大な「ダイヤモンド」の看板。
東大路通りにさん然と輝いています。
あまり時間がないのにもかかわらず、ぼくは吸い込まれるように入ってしまいました。
中に入ると、ほどよい暗さのダウンライト。
またいい店を見つけてしまったと直感で感じながら左の奥まったテーブル席へ。
マスターにコーヒーを注文。
磨りへって黒光りするテーブルを撫でながらあたりを見渡す。
と気になるポスター。
「ブラジル珈琲」
なにやらコーヒー農園らしき場所にギター弾きがいた裸のねーちゃんがいたり地球が転がっていたり、奇妙な絵。
でも、淡い色彩とやわらかい線で心和む一枚になっています。
「いいポスターですね」
と思わずマスターに話しかけると、予想外の答えが。
「藤田嗣治が描いたみたいですよ。」
ほら、とマスターはポスターの右隅を指差す。
ほんとだ、藤田のサインがある。
こんなのも描いていたんだ。
ふと入った喫茶店で新しい発見をするのは楽しい。
このポスターがきっかけでお店に置いてあるいろいろなものにも興味が飛び火する。
アフリカのお面やら窓際のメダカなどなど、すべてが愛おしくなってくるから不思議。
ガシャガシャ写真を撮らせてもらい、世間話も弾んできて、いい感じ。
もう一杯コーヒーを、と言いかけて、ああそうだ。
仕事に行かねば。提灯持たねば。
また来ます、と約束してまた夏の白々しい太陽の中へ飛び出していったのです。
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ダイヤモンド
京都市京都府京都市左京区岡崎西天王町
丸太町東大路下る西側(地図)
五番街 [今出川駅]
同志社大学に夜の帳が下りる頃、校門から解き放れたはらぺこ学生達が吸い込まれていくのは、天下一品!
今日の疲れを癒し、明日の活力を蓄えるため、天下一品のこってり大盛、学割で!と注文するわけです。
が、その天下一品の奥に実は一軒のスナック喫茶店があるのはご存知でしょうか?
怪しく今出川通りに浮かび上がる「五番街」の文字。
腹ペコで吸い込まれるのとは別の意味で吸い込まれそうな雰囲気が渦巻いています。
夕闇時、扉を開けると、いつしか火曜サスペンス劇場で見た、あの日の郷愁のスナック。
真っ赤な絨毯、カラオケスペース、カウンター、と3人のママ。
常連のスーツの方がおもむろにカウンターに腰掛けると、「今日はビールから始める?」とママ。
2階は雀荘。
この方も同志社大学で青春を過ごしたOBさんなのでしょうか。
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五番街
京都市上京区烏丸今出川西入る南側(天下一品の奥)
(地図)
珈琲舎 幹 [今出川駅/御所]
ここ数日、京都にはものものしい空気が漂っています。
ものものしいということは、各国の要人が京都に集まっているということで、京都に集まるということは、迎賓館に集まるということで、すなわち御所界隈に警官がうようよいるということで、つまり、ものものしいということです。
そんなものものしい御所の前にありますのが「幹」。
正方形の店内にテーブルが4つ。
内ひとつに、あじさい。
カウンターの中には、ハツラツとしたママ。
窓際に腰掛けてみると、なんと烏丸通は忙しそうなこと。
紙袋を抱えたスーツのお姉さん、前カゴにパンパンの買い物袋、後ろに坊やを乗っけたママチャリママ、猛スピードで通り過ぎるマウンテンバイク。
ある道端で見た標語を思い出す。
「細い道 そんなに急いで どこへ行く?」
みなさまも、時折、「幹」に時間を止めに来てはいかがでしょうか?
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珈琲舎 幹
京都市上京区烏丸武者小路(地図)
喫茶マリヤ [千本中立売]
千本中立売。
この場所はなんとも面白い。
2つの喫茶店が千本通りを挟んでにらみ合っているのです。
東西喫茶店対決とでも申しましょうか。
えっへん。
まず東に構えますは、中庭と焼肉弁当で心の空腹と体の空腹を満たしてくれた「喫茶ナポリ」です。
そしてそして、西に構えますのが、今回の「喫茶マリヤ」です。
内装は、銅板がはめ込まれた壁や焼肉屋風の銅製のランプシェードがチャームポイントですが、スタンダードな雰囲気です。
しかし、マリヤの最大の武器は、メニューのサンプルが所狭しと並ぶショーウィンドウでしょう。
この写真はお店の前のもので至って普通なのですが、びっくりするのが店内にも巨大なショーウィンドウが鎮座していることです。
すべてのメニューはあろうかという数の食品サンプルが並んでいます。
さすが千本中立売の胃袋を任される喫茶店の双璧とあって、両店、ごはんメニューはたくさんありますが、メニューの多さではマリヤが一枚上手の様です。
事実、ぼく以外のほとんどのお客さんはコーヒーではなく、クリームソーダやらコーラから、アイスクリームやパフェを食していました。
カラフルなメニューサンプルに誘われて、みんな色々と注文して、ショーウィンドウは効果絶大の模様です。
普通の喫茶店にはない、光景。
「大人のファミレス」状態です。
というわけで、ぼくは千本中立売を「ランチ喫茶店の聖地」と呼ぶことにします。
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喫茶マリヤ
京都市中京区千本中立売下る西側(地図)
喫茶 琥珀 [祇園/宮川町]
最近、なぜだか、やたらと天気がいい。
梅雨がもうすぐ来るよという前触れか、それとも夏が前ブレ?
いずれにせよ、朝目覚めて青空が広がっていてしまったら、ぼくの自転車は鞍馬口から一気に五条までまっさかさまです。
そういえばもう「床」が出ているんですね。
「納涼床」の日陰では鴨も納涼しつつ昼寝していました。
そんなのんびりした日だったので、何かいい予感を感じながら、ぶらぶらと宮川町を上がっていました。
「お茶屋さん」や「置屋さん」が小さな小さな札を戸につけて、黙って並んでいます。
ぼくもいつか「粋な」大人になってから、遊びにきたいものです。
そんな静かな宮川町を上がり、四条通りの喧騒が聞こえてくるころ、突如ぼくの目の前に現れたのが「琥珀」。
黄色の屋根にノックアウト。
「琥珀」のレタリングも絶妙。
ぼくの喉の渇き具合も絶妙。
通りで、いい予感がしたわけだ。
ぼくと同時に入った、老婦人は「先生」と呼ばれていました。
花街で「先生」と呼ばれるご婦人。
花街の「粋」を支えるお一人なのでしょう。
「琥珀」なるお茶屋さん街の”お茶屋さん”は、一見の身にも花街の「粋」を垣間見せてくれる貴重な空間でした。
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琥珀
京都市東山区大和大路通四条下る3丁目博多町62(地図)
喫茶 花舟 [御前太子道]
最近、2階喫茶店によく当たります。
JR嵯峨野線の高架の手前、御前通りから半歩東に入れば、あります、あります、喫茶店。
「お2階へどうぞ」なんて、丁寧な看板に言われちゃ、いや、気が利くねぇ、なんて階段上るしかないです。
階段脇のショーウィンドウも、価格表示なんて野暮なことをしない控えめさが気が利いてます。
がらんとした店内。
ちょっと戸惑うぼくに「いらっしゃい」と声をかけてくれるマスタァ。
赤いイスと青いイスがいい味を出しています。
サイフォンで淹れてくれたコーヒーもいい味を出しています。
窓際の席に、通りの風が吹き込んできます。
2階喫茶店は、「窓」ですね。
必ず窓があって、窓際の席がある。
「窓」を愉しむ、なんていう新しい喫茶店の愉しみ方を発見しました。
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花舟
京都市中京区御前太子道東入る(地図)
パル [朱雀二条商店街]
JR二条駅から御池通りを西へ、そして、七本松通りを上がったところにある「朱雀二条商店街」。
都会から忘れられたかのように、ひっそりとした姿。
そんな景色の中、気になる店が。
「世界のパン ヤマザキ 喫茶 パル」。
パン屋兼喫茶店、ということは分かるのですが、なんでしょう、この違和感。
「世界のパン ヤマザキ 喫茶パル」
うーん。
やっぱり、ぼくの中には「ヤマザキ」と言えば「パン」という刷り込みがあるので、「ヤマザキ→喫茶」というこの看板の流れは、「パン!」と思った瞬間、「いや、そうじゃなくて、『喫茶』だ!」と間髪入れず否定されたようで、妙な気持ちになります。
とにかく、ぼくは奇妙なご縁ながらも心を奪われてしまったわけなので、『デラックスサンドイッチ』なる手作りサンドイッチを頂くことに。
ここは半分パン屋さんなわけなので、テイクアウトして楽しむことにしました。
近くには朱雀公園があるので、そこの朽ちかけたベンチで、いただきます。
うまいです。
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パコ
京都市中京区西ノ京内畑町(地図)
純喫茶ユニ [壬生寺]
ここは、壬生。
京福電車の線路をくぐり、ガタゴトする音が遠ざかってきた頃、ふと左を見ると思いがけず喫茶店。
「ユニ」。
下町の交差点にこじんまりと立つ姿に一目惚れ。
まさしく”街角”喫茶と呼ぶにふさわしい街角具合。
開いているのか開いていないのか不安になる真っ黒なドア。
不気味なスモークシート。
隠されれば隠されるほど魅力的に見えるのは、鶴が恩返しする時代からの常識。
埋蔵金を掘る糸井重里は、つまり喫茶店を開拓するぼくと同じ。
そして、意外にも中に入るとラジオの流れる明るい空間であるのも、それはそれでいいのです。
懐古趣味的に”つくられた”空間ではなく、お客さんのことを考えているうちに自然とそこに流れ着いたという空間だからです。
お客さんにとって居心地がいいように、花を生けたり、音楽を流したり、テーブルをピカピカにしたりすることは、ごく自然で、その喫茶店が”生きている”証拠なのだと思います。
ぼくの少し後に、財布ひとつ持ってエプロン姿のお母さんがやってきました。
それが喫茶店が”生きている”ということではないでしょうか。
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純喫茶ユニ
京都市中京区壬生高樋町(地図)
喫茶ナポリ [千本中立売]
「昭和の大衆喫茶」とでも申し上げましょうか。
とにかく何時間でも居られそうな居心地のよさ。
店内は広くて、席数もたっぷり。
そして、「昭和」的要素は、アーケードゲームのテーブルやNationalの古いジュークボックス、そして、鯉が泳ぐ庭!(「澤村」さんを思い出します)。
自転車で五条から一気に駆け上がってきて干からびたもやしっ子に安らぎを与えてくれます。
ついでに、700円の焼肉弁当は、食道を通って体中に吸収され、干からびたもやしっ子からみずみずしいもやしっ子に変身を遂げるのです。
久々に肉食べました。うまい。
という幸福感に包まれていたのも束の間。
しまった!
「ナポリタン」、食べてない。
せっかく「ナポリ」にいるのに、なんでぼくは「ナポリタン」じゃなくて「焼肉弁当」を食べているのだ。
ああ、ツメが甘い、甘い。
まぁ「ナポリタン」は日本発祥だそうですが。
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ナポリ
京都市上京区千本中立売下る(地図)
喫茶イデヤ [西院]
西院で休憩する時は、マクドナルドでもローソンでもなく、「イデヤ」があります。
古めかしい外装に内装なのですが、目の前が繁華街なこともあって開放的な雰囲気。
そして、コーヒー260円は安い。ミルクコーヒーは280円。
ミルクコーヒーのカップは普通のホットのカップとは違って、ひょろりと細長くて可愛いです。
出勤前にちょっと一服、なんて生活の舞台になりそうな駅前喫茶です。
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イデヤ
京都市右京区西院高山寺町(地図)