ここは、壬生。
京福電車の線路をくぐり、ガタゴトする音が遠ざかってきた頃、ふと左を見ると思いがけず喫茶店。
「ユニ」。
下町の交差点にこじんまりと立つ姿に一目惚れ。
まさしく
”街角”喫茶と呼ぶにふさわしい街角具合。
開いているのか開いていないのか不安になる真っ黒なドア。
不気味なスモークシート。
隠されれば隠されるほど魅力的に見えるのは、鶴が恩返しする時代からの常識。
埋蔵金を掘る糸井重里は、つまり喫茶店を開拓するぼくと同じ。
そして、意外にも中に入るとラジオの流れる明るい空間であるのも、それはそれでいいのです。
懐古趣味的に”つくられた”空間ではなく、
お客さんのことを考えているうちに自然とそこに流れ着いたという空間だからです。
お客さんにとって居心地がいいように、花を生けたり、音楽を流したり、テーブルをピカピカにしたりすることは、ごく自然で、その
喫茶店が”生きている”証拠なのだと思います。
ぼくの少し後に、財布ひとつ持ってエプロン姿のお母さんがやってきました。
それが喫茶店が”生きている”ということではないでしょうか。
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純喫茶ユニ
京都市中京区壬生高樋町(
地図)
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