「10年前に、五条駅の裏手にディープな喫茶店がありました。今もやっているのでしょうか?」
このブログを始めてちょうど8ヶ月の日にこんな素敵なコメントが届きました。
「ディープな」という形容詞にいたく弱いぼくは早速ディープな薄ら笑いを浮かべながら未だ見ぬ喫茶店に想いを馳せるのでありました。
こーゆーのって、なんだか宝の地図を渡されたような気分でワクワクしません??
しかも!今回は情報を下さった橋本哲三さんのブログとの連動企画!!!素晴らしい。
当ブログのレポートに合わせ、橋本さんの当時の思い出を語っていただいています。
↓併せてどうぞ↓
(from「橋本哲三が書く『雑』ずいひつ」)
さて、宝の地図を渡され今にも走り出しそうなぼくだったのですが、これこれしかじかしている内に約1ヶ月の時が流れました…。汗
そして、そろそろディープな笑みを浮かべるのにも疲れてきた頃、ついにぼくは五条へと出発したのです。
指示された場所(スーパーホテルの裏手)に行ってみると、あらまぁ、入り組んだ路地だこと。
こりゃ期待ができますなぁ。
と考えているのも束の間、わわ、発見しちゃった!
「1F喫茶・AZUSA 2F麻雀・梓」
ほほう、その佇まい、まさしく「ディープ」。
ほっそ〜い路地にひっそり立ち、何故か黄色いサイレンがクルクルと回っています。
「2F麻雀」の文字も怪しげな雰囲気に花を添えています。
コワイ人達が溜まってたらどうしよう、とか、一瞬躊躇うこの感じ、たまらんです。
生唾を一回飲み込んでから、恐る恐る扉を開ける。
そして暗〜い店内に吸い込まれるように入っていくと、不意に後ろから声が。
「いらっしゃい」
振り返ると、窓際で本を読むおばあさまが。アズサさんでありましょう。
店内は、今まで行った喫茶店の中でもなかなか暗い方で、大きすぎずこじんまりとちょうど良い広さ。
奥の席にはテトリスだかインベーダーだかのアーケードゲーム。
カウンターの上にはサイフォンが3、4個並び、テーブルの上には珈琲豆をあしらった可愛らしい灰皿が。
いやはや、時が止まったような空間とはこのことです。
ぼくは席に着いて、お腹が減っていたのでモーニングみたいなものはないか聞くと、
「あー、食べ物はないのよ。良かったら近くのパン屋さんで好きなものを買っておいで。うちは全然構わないし。」
とのこと。
なんてフリーダムなんだ。
教えられた通りの道をゆくと、これまた老夫婦がやっているローカルなパン屋さんが出現。
そこでクリームパン云々を買いまたAZUSAに戻ると、ママさんがぼくのためにゆっくりサイフォンでコーヒーを淹れてくれています。
贅沢ってのはこうゆうことを言うんだろーなー、とか老けたことを考えつつ遅めのモーニングをとったのでありました。
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喫茶AZUSA
下京区烏丸五条下る二本目西入る鍵屋町(地図)←間違えていました!
正しくは、
下京区烏丸五条下る三本目西入る下諏訪町(地図)
です。申し訳ありませんでした!(2006.9.19)
管理人様
返信削除はじめまして!
私はこの店のおばあさんの娘こと、AZUSAです。
一昨年、母は高齢のため、35年続けた店を閉じました。
何気なく、私の娘が母の店の名前をパソコンで調べたところ、
こちらのブログにたどり着いたわけです。
このブログの存在を知り、
母はとても喜んでおります。
自分の生きてきた証のような店を、
大切に紹介してくださる方がいらっしゃるなんて、
夢のようだと申しておりました。
型物の父が朗らかな母と脱サラ後、始めた店ですが、
考えてみますと、
この店のコーヒーの売上で、私は学校へ行かせてもらい、
常連のお客様に支えられて、父が亡くなった後も
ひとりで店を守り続けた母の今があります。
真赤な壁の花のパネルや、
店の匂いがよみがえってきます。
コーヒー豆の灰皿・・・・・・・懐かしかったです。
ありがとうございました。
こんばんは。アズサさま。
返信削除こんな形でメッセージを頂けるとは夢にも思いませんでした。
本当に本当にありがとうございます。
それより、ぼくは謝らなければなりません。
こんな形で、ご了承も得ないまま紹介してしてしまっていて申し訳ありません。
ただ、短いやりとり、会話の中でしたが、お母様がおつくりになったお店の雰囲気や自然で温かなもてなしに幸せな気分になり、思いの醒めぬよう書き留めた次第です。
また、記事の中にもあるように、私もAZUSAさんのことを橋本さまというインターネットで知り合った方に教えていただきました。
それだけ、たくさんの方にとって魅力的な喫茶店だったのだと確信します。
それにしても、こんな風にお話しができるとは本当に嬉しいです。
お母様には何卒お元気でありますよう、喫茶店にて貴重なお時間を体験させていただいたことをよろしくお伝え願います。